シリンダライナ

シリンダライナは、シリンダを構成するためにエンジンブロックにはめ込まれる円筒形の部品で、エンジンの内部を構成する重要機能部品の一つ。近年はエンジン軽量化の為、エンジンブロックを鋳鉄製からアルミ合金製に変わってきていますが、シリンダ内周の摺動面として鋳鉄製のシリンダライナが主に使われています。

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主に、つぎの役割をはたします。

【摺動面の形成】
シリンダの内壁として潤滑油を保存し、ピストン・ピストンリングとの摺動面を形成することで以下の機能を得られる。
・耐焼付性が高い。
・自身(シリンダライナ)の摩耗が少ない。
・相手材(ピストンリング、ピストン)の摩耗が少ない。
・潤滑油(エンジンオイル)消費が少ない。

【気密保持】
圧縮気体、燃焼ガスの外部への漏れを防ぐ。
強度の高い鋳鉄材を利用することにより、シリンダ部分の変形を抑制。

熱伝導
燃焼熱をピストン・ピストンリングを介して受け、冷却水に伝える。

製品種別

鋳包みライナ

【特徴】
・鋳包みライナはアルミエンジンブロックを鋳造する際に鋳込まれます。
・シリンダライナの外周鋳肌化による低コストの実現(遠心鋳造法)をしています。
・シリンダライナ外周の特殊鋳肌形状によりアルミとの密着性に優れています。

【採用例】
アルミエンジンブロック搭載車

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薄肉乾式ライナ

【特徴】
・シリンダライナが冷媒(冷却水)に接触しないタイプ。
・シリンダの間隔が比較的小さくとれるため、機関の小型軽量化ができる。
・窒化や、リン酸塩被膜処理を施すことで耐摩耗性や耐焼付性を向上させた仕様もあります。

【採用例】
ディーゼルエンジン、モータースポーツエンジンなど

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湿式ライナ

【特徴】
・シリンダライナが冷媒(冷却水)に直接、接触するタイプ。
・クロムめっきなどを施すことで、キャビテーション防止に貢献しています。

【採用例】
ディーゼルエンジンなど

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技術動向

アルミエンジンブロックによる軽量化に加えて、近年はエンジンの高性能化、低燃費化、小型化というニーズにより、冷却性能向上、ボア間ピッチ縮小、ボア間肉厚縮小などの傾向が強まっています。弊社のシリンダライナはこうした要求に対応すべく、アルミブロックとの密着性向上、薄肉化、低コスト化をはかっています。
※下図はクリックすると拡大します。

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